
新卒で伊藤忠商事に入社。物流部門に配属され、陸地の物流ソリューション事業と海上の貿易物流事業に携わり、ニューヨーク駐在時には大西洋水域のプロジェクトを担当。約4年の駐在を経て帰国後、伊藤忠商事の情報・通信部門へ異動し、事業会社への出向を経験。2025年4月からBelongに参画。趣味は読書とジョギングだが、最近はなかなか時間が取れず楽しめていない。
今回はBelong全体のサービスの中核を担う、オペレーションセンターを統括する菊池に、これまでのキャリアとセンターの強みと課題についてインタビューを行いました。
――Belongに入社するまでのキャリアについて教えてください。
新卒で伊藤忠商事に入社し、物流部門で陸運と海運の物流事業に携わったのがキャリアのスタートです。陸運ではお客様に最適な物流ソリューションを提案し、海運では貿易物流を担当。ニューヨークにも約4年間駐在し、欧州・北米・中南米での物流プロジェクトに関わりました。
海外では、日々文化や価値観の違いに触れ、毎日が発見の連続。たとえばイギリス出張では、予定時間に20秒遅れてしまい訪問先の方から注意を受けたことがあります。アメリカでは20秒の遅刻を指摘された経験がなかったので、オープンな国民性の米国と、歴史や格式を重んじる英国の違いを実感しました。中南米では逆に、30分から1時間の遅刻が当たり前(笑)。ただ、ブラジルのコパカバーナビーチを臨むオフィスに行ったときは「この景色を見ていたら1時間の遅れはどうでもよくなるな」と妙に納得したのを覚えています。以前は「欧米」と一括りに考えていましたが、時間感覚ひとつでも国ごとにまったく異なると学びましたね。
――旅行とは違い、仕事を通して現地の人と交流すると、より“違い”を感じられそうですね。
はい。海外での経験は、仕事面はもちろん、人としても大きな糧になっています。最近は海外駐在を希望する若手が減っていると聞きますが、チャンスがあるなら若いうちに未知の世界へ飛び込んでほしいですね。精神的な成長にもつながるはずです。
――日本に戻ってからは、どのような業務に携わってきたのでしょうか。
帰国後は情報・通信部門に移り、オペレーションセンターの立ち上げや、事業会社での法人営業を経て、2025年4月にBelongへ出向。現在は座間オペレーションセンターの運営全般を担っています。センターではサプライヤーから買い取った中古スマートフォンを査定し、お客様のもとに“しっかり届ける”のが使命です。一口にしっかり届けると言っても、確実にお渡しするだけではありません。センターに来る中古スマートフォンは、新品同様のものから故障や破損のあるものまで状態はさまざま。それらを適切に評価し、クリーニングをして価値をつける必要があります。私も参画後の2カ月間は現場に入ってスタッフとともに作業を行い、多くの気づきを得ました。これらを今後の運営に活かしていきます。

――実務や立ち上げを通じて見えたBelongの強みは何でしょうか。
最大の強みは規模と品質です。伊藤忠グループのネットワークを活かし、日本の中古スマートフォン市場では最大、世界でもトップクラスの規模があると自負しています。スマートフォンの高価格化が進む中、誰もが手に取りやすい環境をつくるのがオペレーションセンターの役割です。
一方で、効率化と品質維持の両立への課題も見えてきました。限られたリソースで成果を最大化するため、日々の業務に注力するあまり、組織全体の視点を持つことが難しい側面もあります。まずは効率化を実現し、生まれた時間を新しい取り組みに使える環境づくりが急務だと考えています。ただし効率化だけに偏ると、安易な方向に偏って品質低下の恐れがあるため、バランスを取るのが私の役目。また、現場とオフィスの橋渡し役でもあるので双方の意見を踏まえ、最適解を導きます。
――課題解決に向けた取り組みを教えてください。
とくに意識しているのは積極的な声かけです。改善の余地がある作業や、負荷軽減に偏りすぎた動きがあれば、スタッフと話し合います。ただし過度な指摘はモチベーション低下を招くため、相手に負担を感じさせず効率化と生産性向上を促すアドバイスを心がけています。
また、モチベーション向上策としてお客様の声を掲示するモニターやポスター設置を検討中です。現場のスタッフが「自分の仕事が誰かの役に立っている」と実感できれば、やりがいや品質向上につながるはずなので、さまざまな角度からサポートしていきたいですね。
――センターの人々がやりがいを持って、快適に働ける環境を目指しているのですね。
はい。お客様の声のなかには厳しいご意見もありますが、今後の仕事に必ず反映するように心がけています。日々改善を積み重ねていき、大きな変化につなげていきたいです。
我々が扱う商材は多くの人が毎日手に取っているものなので、スタッフ自身も中古スマートフォンの購入を“自分ごと”に置き換えて考えられます。お客様の元に届いた「にこスマ」の箱を開けて端末に電源を入れる、その瞬間の“感動”に思いを馳せることができれば、一人ひとりの仕事の質と商品の価値は自然に上がると期待しています。
――最後にメッセージをお願いします。
Belongは伊藤忠グループではありますが、スタートアップ企業でもあるため、少数精鋭。働くスタッフにも自分の意見をしっかり持つ姿勢が求められます。今後も、周りに流されず、五感で感じたことから考えて行動できる方と一緒にオペレーションセンターを盛り上げていきたいです。