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IT資産の棚卸とは?目的や効率化する方法、注意点をわかりやすく解説

IT資産の棚卸とは?目的や効率化する方法...

2025.10.01

業務効率化

企業が保有するIT資産を適切に活用するためには、IT資産の棚卸によって、利用実態を正確に把握する必要があります。
この記事では、IT資産の棚卸における目的や実施方法、効率化するためのポイントをわかりやすく解説していきます。

IT資産の棚卸とは

「IT資産の棚卸」とは、企業が保有するIT資産(ハードウェアやソフトウェアなど)の数量や状態など、利用実態を正確に把握するための確認作業のことです。

IT資産管理(ITAM)の一環として実施され、資産計上のためだけでなく、余剰資産の発見やセキュリティの強化にも繋がります。

棚卸を実施するタイミングや頻度は、

  • 決算期(12月末または3月末)に合わせて年1回
  • 半期ごと・四半期ごとに年複数回

など、さまざまです。

IT資産の棚卸の対象となる資産

IT資産の棚卸の対象となる資産は、大きく3つに分けられます。

  • ハードウェア
  • ソフトウェア
  • ソフトウェアライセンス
企業が保有するIT資産のうち、取得金額や利用期間が一定以上の資産は「固定資産」に該当し、そのうちソフトウェアは「無形固定資産」に該当します。
利用実態を正確に把握するため、固定資産に該当しないレンタル品なども棚卸の対象となります。

それぞれの資産の具体例を見てみましょう。

ハードウェア

IT資産の棚卸の対象となるハードウェアは多岐にわたります。

IT資産の棚卸の対象となるハードウェア(一例)
  • 情報機器:パソコン、スマートフォン、タブレットなど
  • 周辺機器:モニター、プリンター、USBメモリなど
  • ネットワーク機器:ルーター、スイッチングハブなど

ソフトウェア

ハードウェアにインストールされているOSや各種ソフトウェア・アプリも棚卸の対象です。
どのソフトウェアが、どこでどれだけ利用されているか、更新状況も含めて把握する必要があります。

ソフトウェアライセンス

ソフトウェア資産管理(SAM)においては、ソフトウェア本体だけでなく、ライセンスの数や有効期限といったライセンス管理も重要です。
ライセンスに関わる書類やインストールメディアなど、「ライセンス関連部材」も棚卸の対象となります。

IT資産の棚卸の目的

IT資産の棚卸によって利用実態を正確に把握する目的は主に以下の3点です。

コスト最適化

IT資産の棚卸によって、遊休資産や余剰ライセンス、不要なリース契約など、活用されていない資産を発見できます。
不要な資産を処分すれば、棚卸を含めた保守・管理にかかるコストの削減も可能です。

資産状況を正確に把握することは、申告漏れなど、会計・税務上のリスク低減にも繋がります。

セキュリティ対策

OSやソフトウェアの状態を可視化することで、バージョン管理やパッチ管理の抜け漏れをなくし、
脆弱性や不具合によるトラブルを未然に防止できます。

デバイスの利用状況を把握すること自体に、「シャドーIT」などによるセキュリティリスクを低減する効果があります。

コンプライアンス遵守

ハードウェアにインストールされているソフトウェアとそのライセンスの情報を統合することで、ライセンス違反を早期発見・防止できます。
ライセンス違反などの不正使用は、損害賠償請求による経済的損失や、企業イメージの低下に繋がるリスクがあります。

随時利用状況を更新することで、急なライセンス監査が発生した際も円滑に対応可能です。

IT資産の棚卸を行う方法・ワークフロー

IT資産の棚卸の手順は、大きく3つに分けられます。

  1. 管理台帳の作成
  2. 台帳と現物の照合
  3. 台帳の更新

1.管理台帳の作成

まずは、保有しているIT資産の管理台帳を作成します。
代表的な管理台帳の種類と主な記載項目は次のとおりです。

管理台帳の種類 主な記載項目
ハードウェア台帳 ハードウェア種別、機器名、シリアル番号、設置場所、取得方法、
取得日など
導入ソフトウェア台帳 ソフトウェア種別、ソフトウェア名、ベンダー名、バージョン名、
インストール数など
ライセンス台帳 ライセンス形態、保有ライセンス数、有効期限など
ライセンス関連部材台帳 媒体種別、ライセンスキー(CDキー)、保管場所など
IT資産の種類ごとに台帳を作成し、管理番号などを主キーに用いて、各種台帳の情報を紐付けます。

棚卸対象が少数の場合は、Excelなどの表計算ソフトによる管理も可能ですが、とくにソフトウェアは実体がなく確認に手間がかかることもあり、効率や信頼性の観点からIT資産管理ツールの導入がおすすめです。

2.台帳と現物の照合

管理台帳が作成できたら、台帳と現物を照合し、差異がないかを確認していきます。

ハードウェアの照合においては、あらかじめ「固定資産管理番号シール」を貼っておき目視で確認する方法のほか、バーコードやQRコード、ICタグ(RFタグ)による効率化も可能です。

3.台帳の更新

台帳と現物に差異があった場合は、原因を特定し、必要な手続きを終えたら台帳を更新していきます。

台帳と現物が一致しない場合に考えられる原因はさまざまですが、不正利用や情報漏洩など重大なインシデントに繋がる可能性があるため、早急に原因を特定することが求められます。

台帳と現物に差異がある場合に考えられる原因
台帳 現物 考えられる原因
あり なし
  • 廃棄手続き漏れ
  • 紛失・盗難
なし あり
  • 導入手続き漏れ
  • シャドーIT
台帳と現物がともに確認できる場合も、設置場所など利用実態が異なる場合は、最新情報に更新が必要です。

IT資産の棚卸を効率化する方法|注意点も

IT資産の棚卸の実施にあたっては、多大な労力がかかることもありますが、工夫次第で効率化できます。
とくに高い効果が期待できる工夫を3つご紹介します。

  • 定期的に実施する
  • マニュアルを作成する
  • IT資産管理ツールを導入する

定期的に実施する

IT資産の棚卸は、年1回以上の定期的な実施がおすすめです。
実施頻度を高めるほど、台帳と現物の差異に気づきやすく、また差異があった場合も原因を特定しやすくなります。

棚卸を円滑に行うためにも、IT資産の導入や廃棄など変更があった際は必ず管理台帳を更新し、常に最新の状態を維持しておきましょう。
ハードウェアやソフトウェアの導入方法はさまざまですが、例外を作らず、すべてのIT資産を管理対象に含めることが大事です。

マニュアルを作成する

IT資産の棚卸にあたっては、管理台帳の記載漏れや属人化を防ぐため、ルールを作成しマニュアルで共有するとよいでしょう。

ルールやマニュアルの作成にあたっては、誰が、どのタイミングで、どの情報を更新するか、役割分担を明確にします。

テレワークで利用されているパソコンなど、IT部門の担当者が現物を確認することが難しい場合は、利用者自身がアンケートに回答するなどして棚卸を行う方法も考えられます。

IT資産管理ツールを導入する

IT資産の棚卸を含めたIT資産管理においては、効率や信頼性の観点からIT資産管理ツール(ITAMツール)の導入がおすすめです。
(代表的なツール:「SKYSEA Client View」、「Mcore」、「AssetView」など)

IT資産管理ツールによって担当者の負担を低減することは、棚卸の定期的な実施につながります。
また棚卸に関わる多くの工程を自動化できるため、よりシンプルなルール・マニュアルによる運用も可能です。

IT資産管理ツールの主な機能は下記のとおりです。

IT資産管理ツールの主な機能
管理台帳作成 管理台帳を一元化。
ソフトウェア辞書による表記揺れの吸収(名寄せ)も可能
インベントリ管理 ハードウェアやソフトウェアの情報を自動収集
ライセンス管理 ライセンスの過不足を集計・モニタリング
ソフトウェア配布 必要なアップデートを一括配信
上記機能のほか、MDM機能を内包しているツールも多くあります。

IT資産管理ツールの導入にあたっては、対応デバイスや料金のほか、目的に合わせて、導入タイプ(クラウド/オンプレミス)や情報収集の方法(エージェントの有無)で選ぶとよいでしょう。

情報収集の方法 特徴
エージェント型 IT資産管理ツールの主流方式。
端末ごとにエージェントのインストールが必要だが、
豊富な機能を利用できる
エージェントレス型 手軽に導入できるが、
利用できる機能はインベントリ情報の収集など一部に限定される

関連記事:
MDM(モバイルデバイス管理)とは?仕組みから選び方までわかりやすく解説します! – Belong法人向けサービス

IT資産の棚卸で見つかった不要な端末は早めの売却がおすすめ

IT資産の棚卸によって使われていない端末(タブレットやスマートフォンなど)が見つかった場合は、予備端末として再配置も可能ですが、利用の見込みがない端末は早めの売却(レンタル・リースの場合は返却)がおすすめです。

遊休資産を手放すことで、次回以降の棚卸や台帳の更新などの管理コストを削減できるほか、以下のメリットがあります。

  • 保管スペースを節約できる
  • 盗難・紛失や情報漏洩などのリスクを低減できる
  • 現金化できる(売却する場合)

弊社Belongが実施した「不要端末の管理における実態調査」でも、保管スペースの確保やセキュリティに関わる不安や経験が多く見られました。

不要端末の管理における実態調査

(引用:不要端末の管理における実態調査|Belong調べ
実際に、不要になった端末について適切な処理を怠った結果、端末管理担当者に無断で売却され、数億円規模の被害が出た事例もあります。

また端末の売却によって、現金化できることも大きなメリットです。
弊社が実施した「法人向け携帯電話に関する意識調査」では、社用携帯のリプレイスにあたって困ることとして、「端末価格が高い」(36.0%)がもっとも多くみられました。

法人向け携帯電話に関する意識調査

(引用:「法人向け携帯電話に関する意識調査|Belong調べ

不要な端末を売却し現金化することで、新しい端末の導入にかかる費用を抑えることも可能です。

不要な端末は、リサイクル業者などに依頼し廃棄する方法もありますが、古い機種や壊れている端末を含めて、ほとんどの場合は買取対象になります。
廃棄にあたっては処分やデータ消去に費用が発生することもあるため、まずは買取を検討し、廃棄はあくまで最終手段と考えるとよいでしょう。

関連記事:

まとめ

IT資産の棚卸は、資産計上のためだけでなく、余剰資産の発見やセキュリティの強化にも繋がります。
管理台帳の作成にあたっては、例外を作らず、すべてのIT資産を管理対象に含めることが大事です。

棚卸の結果、不要になったスマートフォンやタブレット、パソコンなどのIT資産は、管理コストや情報漏洩のリスクなどを考慮し、早めの売却がおすすめです。

法人向けの買取サービスを利用すれば、処分費用を節約できるだけでなく、現金化によって売却益も得られます。

端末を売却する際は、適切なデータ消去が行われており、申し込みから売却までのフロー(査定や発送など)がシンプルでわかりやすいサービスを選ぶとよいでしょう。

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