スマホを内線化できる「FMC」とは?メリットや大手キャリアのサービスを紹介
2022.06.11
リモートワークの広がりで、自宅やワーキングスペースなどで仕事をする機会が増えました。
オフィス外の社員との連絡にスマホや携帯電話を利用することになり、取り次ぎの不便さや、通話料の増加にお悩みの企業も多いでしょう。
その解決策の1つとして、FMCサービスによるスマホの内線化があります。
本記事では、
- 「FMCとはどんなサービス?」
- 「大手3社のFMCの特徴を知りたい」
とお悩みの方に向けて、
- FMCとは
- FMCのメリット・デメリット
- クラウドPBXとの違い
- 大手3社のFMCの特徴
を詳しく解説します。
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目次
FMCとは
「FMC」は、携帯電話やスマホなどのモバイル端末をビジネスフォンのように利用できるサービスです。
「FMC」とは「Fixed Mobile Convergence」の略称で「固定電話とモバイル端末を束ねる」ことを意味します。
通常は別々に契約している固定電話と携帯電話を、一つのキャリアでまとめて契約することで、一体運用を実現します。
FMCは、場所にしばられることなく、オフィスと同様の電話環境が実現でき、次のようなシーンで利便性を発揮します。
- 外出中の社員あてにかかってきた電話を、スマホに取り次ぎ
- オフィス内を移動しながら、社員同士や取引先と内線や外線で通話
- 外出中や在宅ワーク中でも社員同士で無料で内線通話
FMCでスマホを内線化するには、通信キャリアが提供しているサービスを利用します。大手キャリアが提供するFMCサービスの特徴や費用は後ほど紹介します。
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FMCのメリット・デメリット
FMCはスマホを内線化できる便利なサービスですが、導入にあたっては注意すべき点もあります。
FMCのメリットとデメリットを解説します。
メリット
FMCには、主に次の3つのメリットがあります。
- 通信料が削減できる
- ビジネスの機会損失を防ぐ
- 多様な働き方を実現する
それぞれ解説します。
通信費の削減
FMCを導入してスマホを内線化することで、外出やリモートワークでオフィス外にいる社員との通話料を削減できます。
通常、オフィス外にいる社員との通話には外線を利用する必要があり、通話料がかかります。しかし、FMCでスマホを内線化すれば無料の内線電話で通話でき、社員の外出が多い企業では通話料の大幅な削減が可能です。
また、固定電話と携帯電話で複数のキャリアと契約している場合には、FMCの導入を機に一つにまとめることで基本料などを削減できる可能性もあります。
機会損失の防止
スマホ内線化により、外出中にオフィスにかかってきた顧客や取引先からの電話を、スマホに転送できるため、ビジネスの機会損失を防止できます。
通常のビジネスフォンでは、外出中の社員あて電話があった場合は、受けた社員が用件を聞いていったん切り、担当者から改めて折り返します。顧客や取引先を待たせることになり、ビジネスの機会を逃す可能性もありました。
しかし、FMCの導入でスマホに外線電話を取り次げれば、相手を待たせることなく通話でき、ビジネスの機会損失を防ぐことが可能です。
多様な働き方の実現
FMCでスマホを内線化することで、場所を選ばない多様な働き方が可能になります。
スマホで顧客や取引先からの受電や、社員同士の内線通話ができれば、在宅ワーク中でもオフィスと変わらない電話環境が実現可能です。
在宅ワークは、育児や介護で出社できない場合でも自宅で仕事ができるなど、これまで休業や退職を余儀なくされていた人が活躍できる可能性を広げ、社員・企業双方にとってメリットがあるといえるでしょう。
デメリット
一方で、FMCには次の2つのデメリットがあります。
- 通信キャリアを統一する必要がある
- スマホからの外線発信では携帯番号が表示される
それぞれ解説します。
通信キャリアを統一する必要がある
FMCは固定電話と携帯電話を一つにして運用するサービスのため、双方の通信キャリアを統一する必要があります。
そのため、複数のキャリアと契約している場合には、継続するキャリア以外は解約することになります。場合によって違約金が発生することもあるため、注意が必要です。
また、すべてのスマホが同一キャリアでなくてはならないため、私用のスマホを業務利用するBYODの導入は難しく、会社でスマホを購入して社員に配布する必要があります。
このようにFMCを利用するためには、キャリアを統一する手間やコストが発生します。
スマホからの外線発信では携帯番号が表示される
FMCでは、スマホから外線で発信した場合、相手には会社の固定電話番号ではなく、携帯電話番号が通知されます。
FMCは内線通話が対象サービスであるため、スマホからの外線電話は会社の固定電話扱いにならないためです。
スマホから取引先などへ外線発信する場合には、先方に携帯番号を事前に伝えておくなど注意しましょう。
FMCとクラウドPBXの違い
FMCと同様にスマホを内線化する方法として、「クラウドPBX」というサービスがあります。
クラウドPBXとは、電話交換の機能をインターネット経由で利用するサービスです。従来のビジネスフォンで必要だった主装置やPBXといった機器の設置が不要で、初期費用を抑えられるため利用が広がっています。
クラウドPBXでは専用電話機以外にも、スマホやパソコンなどを接続でき、FMCと同様にスマホの内線化も可能です。
また、FMCをクラウドPBXと組み合わせて利用することで、スマホから会社の固定電話番号で外線発信することも可能になります。
現在では、FMCとクラウドPBXがセットで提供されていることも多く、その境界はあいまいになってきています。
クラウドPBXについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
クラウドPBXとは?メリット・デメリットや選び方を徹底解説! – Belong法人向けサービス
大手3社のFMCサービスを比較
FMCは、大手キャリア3社から、次のサービスが展開されています。
- ドコモ「オフィスリンク」
- KDDI「ビジネスコールダイレクト」
- ソフトバンク「ConnecTalk(コネクトーク)」
各サービスの特徴や料金を紹介します。(料金はすべて税込)
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ドコモ「オフィスリンク」
https://www.docomo.ne.jp/biz/service/officelink/
ドコモのスマホ、および携帯電話を内線化し全国のドコモ通信エリアが会社の内線エリアになります。どこにいてもオフィスと同じ電話環境で、コスト削減や業務効率化が可能です。
オフィスリンクは、下記の2種類が用意されており、自社の状況に合わせて選べます。
- 自社の既存のPBXを利用する「お客様PBXタイプ」
- ドコモのPBX機能を利用する「仮想PBXタイプ」
お客様PBXタイプ
内訳 | 料金 | ||
初期費用 | 携帯電話 | オフィスリンク登録手数料 | 1,100円/回線 |
オフィスリンク設備 | 新規契約事務手数料 | 2,200円/契約 | |
工事費 | 77,000円/拠点 | ||
月額料金 | 携帯電話 | オフィスリンク利用料 | 990円/回線 |
オフィスリンク設備 | 内線グループ基本料 | 2,200円/契約 | |
オフィスリンク着信接続料 | 440円/ch | ||
アクセス回線接続料 | 5,500円〜33,000円/アクセス回線 ※チャンネル数や帯域によって異なる |
仮想PBXタイプ
内訳 | 料金 | ||
初期費用 | 携帯電話 | オフィスリンク登録手数料 | 1,100円/回線 |
オフィスリンク設備 | 新規契約事務手数料 | 2,200円/契約 | |
工事費 | 77,000円/拠点 | ||
月額料金 | 携帯電話 | オフィスリンク利用料 | 990円/回線 |
オフィスリンク設備 | 内線グループ基本料 | 2,200円/契約 | |
仮想PBX基本料 | 33,000円/契約 | ||
オフィスリンク着信接続料 | 440円/ch | ||
内線番号利用料(固定IP電話) | 440円/内線番号 | ||
アクセス回線接続料 | 5,500円〜33,000円/アクセス回線 ※チャンネル数や帯域によって異なる |
モバイル回線のプランや料金については、下記の記事をご覧ください。
【2022年版】ドコモの法人契約を徹底解説(料金プラン・割引・オプションなど)
KDDI「ビジネスコールダイレクト」
https://biz.kddi.com/service/call-direct/
auスマホや既存のPBX設備を活用して簡単に内線網を構築できます。大企業から中小企業まで約7,500社で導入されており、FMCサービスの中で圧倒的なシェアを誇ります。
音声通話と同じ内線番号でSMSも無料で利用可能です。
「auオフィスナンバー」のサービスを組み合わせると、スマホからオフィスの固定電話番号で発信することができます。
初期費用、月額料金は次のとおりです。
内訳 | 金額 | |
初期費用 | CUG初期登録料 | 11,000円/グループ |
オンネット番号初期登録料 | 1,100円/固定事業所番号・au内線番号 | |
サブネット番号初期登録料 | 330円/番号 | |
内線SMS (au) 初期登録料 | 無料 | |
内線SMS (Web) 初期登録料 | 1,100円/ユーザーID | |
月額料金 | CUG基本利用料 | 2,200円/グループ |
オンネット基本利用料 (au) | 990円/回線 | |
オンネット基本利用料 (光ダイレクト) | 440円/ch | |
オンネット基本利用料 (IPフォン) | 440円/ch | |
オンネット基本利用料 (Webex Calling) | 440円/番号 | |
サブネット基本利用料 | 無料 |
モバイル回線のプランや料金については、下記の記事をご覧ください。
【2022年版】auの法人契約を徹底解説(料金プラン・割引・オプションなど)
ソフトバンク「ConnecTalk(コネクトーク)」
https://www.softbank.jp/biz/services/voice/connectalk/
「ConnecTalk(コネクトーク)」は、クラウドPBXと、FMC機能をワンパッケージで提供するサービスです。
内線電話は、スマホ標準の電話機能で利用できます。スマホ用のアプリを利用するとさらに直感的に操作が可能です。
PBXがある拠点は既存のPBXを利用、PBXのない拠点ではクラウドPBXを利用というように、拠点ごとPBX設置状況にあわせて利用形態が選べます。
初期費用、月額料金は次のとおりです。
内訳 | 料金 | ||
初期費用 | 要問い合わせ | ||
月額料金 | 基本 | 11,000円/契約 | |
モバイルタイプ(モバイル端末を利用する場合の料金) | 900円/モバイル回線 | ||
PBXタイプ(固定電話を利用する場合の料金) | 500円/ID | ||
外線GW接続(PBXをクラウド化する場合) | 440円/ch | ||
宅内PBX接続(既存PBXを利用する場合) | 440円/ch |
モバイル回線のプランや料金については、下記の記事をご覧ください。
【2022年版】ソフトバンクの法人契約を徹底解説(料金プラン・割引・オプションなど)
まとめ
FMCでスマホを内線化することで、通信費の削減や、在宅ワークの業務効率化が期待できます。
一方、通信キャリアの一本化が必要なため、導入時の契約などでは注意が必要です。
FMCによるスマホ内線化をご検討の際は、本記事を参考に自社の電話環境や利用スタイルにあったサービスをお選びください。
スマホの内線化とは?メリット・デメリットや具体的な方法を紹介
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