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医療機関でスマホを導入する方法|メリットや普及率、導入事例など

医療機関でスマホを導入する方法|メリット...

2025.07.31

法人携帯

医療機関では長年PHSが使われてきましたが、スマートフォンの導入も進んでおり、すでに半数近くの病院で使われ始めています。
業務用スマートフォンのメリットや導入方法、活用事例などを見てみましょう。

医療現場でPHSの後継として注目されるスマホ

PHSサービスのうち公衆PHSの一般向けサービスは、2021年1月末をもって終了しました。
医療機関を中心に利用されてきた自営PHS(構内PHS)は、明確な利用期限が設けられておらず、医療機関における電波利用推進委員会2024年度報告(電波環境協議会)によると、2024年度時点で8割の病院で引き続き利用されています。

ただし自営PHSのうち「旧スプリアス規格」はいずれ利用できなくなる見込みです。
またPHS市場の縮小に伴って端末や関連機器の維持管理が困難になっていくことが予想されるため、段階的にスマートフォンへの乗り換えを推進していくといいでしょう。

先の報告によると、2024年度時点ですでに半数近くの病院でスマートフォンが導入されています。

医療業界では働き方改革の適用による、いわゆる「2024年問題」によって、業務効率化・DX化や人材確保が求められています。
スマートフォンは単なるPHSの後継にとどまりません。このあと紹介するように、2024年問題に関わるさまざまな課題の解決にも役立ちます。

医療機関でもスマホは利用できる(クリックで表示)

現在では携帯電話や医療機器の性能向上もあり、安全を確保しつつ、スマートフォンを含む携帯電話の活用が推進されています。
電波環境協議会によると、基本的には、医療機器から1m程度離すことが目安とされています。

影響が懸念される医用電気機器から1m程度離すことを目安とすることができる。

(引用:医療機関における携帯電話等の使用に関する指針(電波環境協議会)

上記はあくまで目安で医療機器によって影響は異なるため、安全性やスマホの必要性などを考慮し、エリアごとにルールの策定が必要です。

関連ページ:
法人PHSはいつまで使える?注意点や代替手段も紹介 – Belong法人向けサービス

医療現場でスマホを導入するメリット

医療の現場でスマートフォンを活用するメリットは、大きく3つあります。

  • 業務効率化
  • サービス向上
  • セキュリティ強化

業務効率化

スマートフォンはアプリや外部機器との連携によって、幅広いシーンで業務の効率化が可能です。

  • ナースコール連携の強化
  • 投薬管理、検査予定などのアラート
  • 電子カルテや画像など医療情報の共有
  • 勤怠管理・位置情報共有
NTTコミュニケーションズの試算によると、スマートフォンによる業務効率化によって時間外労働の5〜20%を削減できるとしています。

スマートフォンの活用は、コミュニケーション強化にも繋がります。
スマートフォンは一台で内線/外線に対応できることにくわえて、PHSでは難しかったグループチャットやWeb会議など、状況に合わせた柔軟なやりとりが可能に。

働きやすさ向上によるスタッフの満足度向上や人材確保も期待できます。

サービス向上

スマートフォンの活用は、

  • ナースコールの着信/待ち時間短縮
  • リモート面談やオンライン診療
  • スムーズな受付・会計

など、医療品質・サービスの向上にも繋がります。

セキュリティ強化

セキュリティやプライバシーを強化できることもスマートフォンのメリットです。
多くのスマートフォンは生体認証(指紋認証や顔認証など)に対応しています。またMDMなどによる端末の一括管理も可能です。

通信においては、SIM認証(SIMカードを使った通信の許可)も利用できます。

関連記事:
MDM(モバイルデバイス管理)とは?仕組みから選び方までわかりやすく解説します! – Belong法人向けサービス

病院でスマホを導入する方法

スマートフォンの導入にあたっては、目的に合わせた端末やネットワーク、各種ツールの選定、運用ルールの作成などが必要になります。

ここでは端末の導入方法と、インフラとなるネットワークの構築方法を見てみましょう。

端末の導入方法

スマートフォン本体の導入方法は、大きく分けて2つあります。

  • 業務用端末
  • 私用端末(BYOD)

業務用端末

一つ目は、病院側が業務用端末を用意しスタッフに貸与する方法です。
MDMなどによって一元管理しやすくセキュリティリスクを軽減できますが、端末を用意するために費用や手間がかかります。

弊社が実施した調査でも、端末にかかる費用や手間が、社用携帯導入の障壁になっていることがわかりました。

法人携帯の利用における課題_導入時
(「法人向け携帯」利用における課題|弊社(Belong)調べ)

端末の導入にあたっては、中古端末やレンタルを活用することで、初期費用を大幅に抑えられます。

台数が多い場合は、キッティングやMDM導入に対応しているサービスを選ぶといいでしょう。

関連記事:
【法人携帯】スマホの「キッティング」とは?代行サービスも紹介 – Belong法人向けサービス

私用端末(BYOD)

二つ目は、スタッフの私用端末を業務利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」です。
端末導入にかかる費用を削減できることにくわえて、許可なく私物を持ち込む「シャドーIT」によるインシデント(情報漏洩など)を、未然に防ぐ効果もあります。

一方、BYODの場合も医療機関の機器と同等レベルの対策が求められるため、業務用端末を貸与する場合と比べて、管理にコストがかかる可能性があります。

BYOD であっても、医療機関等が管理する情報機器等と同等の対策が講じられるよう、手順を作成すること。
(中略)
外部からの不正アクセスによって情報が漏洩することも考えられるため、管理されていない端末での BYOD は行わない。

(引用:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版 システム運用編」)

また公私の境界が曖昧になるなど、スタッフ側の負担が増えがちなこともBYODのデメリットといえます。

メドコムによる調査(2024年3月)では、医師・看護師の6割が業務中に何らかの形で私用スマートフォンを利用している一方、7割近くが私用スマートフォンの利用に抵抗を感じていることが明らかになりました。

端末を導入する際は、初期費用だけでなく、管理コストやセキュリティリスク、働きやすさなど全体のバランスを見ながら検討することが大事です。

関連記事:
BYODとは?メリット・デメリットや導入までの流れを解説 – Belong法人向けサービス

ネットワークを構築する方法

病院内外のネットワークを構築する際は、冗長性の観点から災害など不測の事態を考慮し、複数の通信手段を組み合わせるといいでしょう。

  • 4G/5G
  • Wi-Fi
  • sXGP
  • クラウドPBX

4G/5G

モバイル通信(4G/5G)は、病院における業務用スマートフォンではもっとも多く利用されている通信手段です。
医療機関における電波利用推進委員会2024年度報告(電波環境協議会)によると、業務用スマートフォンを導入している病院のうち70%が4G通信を、約45%が5G通信を利用(複数回答あり)しています。

病院の内外を問わずに利用できるメリットがある反面、キャリアの通信状況(輻輳や通信障害など)の影響を受けるデメリットがあります。

Wi-Fi

W-Fi(無線LAN)は、病院内のネットワークとしてはもっとも普及しています。
先の調査によると、90%以上の病院でWi-Fiが導入されており、業務用スマートフォンを導入している病院のうち55%がスマートフォンでもWi-Fiを利用しています。

患者や来訪者のためにWi-Fi環境が整備されることもあります。

Wi-Fiは汎用性が高く、スマートフォンを含めて多くの機器で利用できますが、広いエリアをカバーするために多額のコストがかかる場合があります。

sXGP

sXGPは、4G(LTE)を活用した自営ネットワークで、自営PHSの後継規格として期待されています。
Wi-Fiと比べて導入のハードルが高いこともあり、先の調査によると業務用スマートフォンを導入している病院のうち、sXGPの利用率はわずか0.4%にとどまります。

ただしWi-Fiより広いエリアをカバーしやすいほか、ハンドオーバー(移動中の接続先切り替え)にも強いため、病院内で安定した通信環境が求められる場合には有力な選択肢になるでしょう。
一般的な4G通信(公衆回線)と異なり、キャリアの通信状況に左右されないこともメリットです。

関連記事:
自営PHSの後継規格「sXGP」とは?|ローカル5Gとの違いや活用例も – Belong法人向けサービス

クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネット上のPBX(電話交換機)を介して、独自の通話網を構築できるサービスです。
スマートフォンの内線化や、ナースコールなどとの連携が可能です。

クラウドPBXの利用にはインターネット環境が必要なため、Wi-Fiなどの導入が前提になります。

通話品質を重視する場合は、キャリアが提供しているFMCサービスを活用する方法もあります。

関連記事:

医療機関におけるスマホの活用事例

医療機関におけるスマートフォンの導入・活用事例を見てみましょう。

  • 国際親善総合病院|PHSからsXGPに段階的に移行
  • 京都近衛リハビリテーション病院|クラウドPBXによるナースコール連携
  • 医療法人弘仁会 板倉病院|積極的なアプリ活用

国際親善総合病院|PHSからsXGPに段階的に移行

国際親善総合病院では、近年PHSの繋がりづらさが課題でしたが、将来性の観点からPHSへの追加投資は難しいと判断し、スマートフォンとsXGPを導入しました。
sXGPはPHSと同じ1.9Ghz帯を利用することから既存システムへの影響が少なく、安心して利用できることが魅力だったといいます。

費用やスタッフの負担を考慮し、一度にすべての端末を置き換えるのではなく、従来のPHSとsXGPを相互接続することで段階的な移行を進めることに。
通話の繋がりづらさが解消しただけでなく、あらたにオンプレミスのネットワークを構築することで、BCP対策としても期待されています。

参考ページ:
PROJECT03 | RECRUITMENT | NECフィールディング

京都近衛リハビリテーション病院|クラウドPBXによるナースコール連携

京都近衛リハビリテーション病院では、業務の効率化は、スタッフの働きやすさだけでなく、医療品質の向上にもつながると考えています。

クラウドPBXを活用したスマートフォンとナースコールシステムの連携では、

  • 同時呼出機能によって、最寄りのスタッフがいち早く対応できる
  • 人手が少ない夜間でも対応しやすい

といったメリットを実感しています。

ほかにも館内放送やドアホンの応答、医療データの記録・閲覧など幅広い用途に活用が検討されています。

参考ページ:
【NTT西日本】ICTソリューションで医療現場の業務を効率化~クラウドPBXを活用したスマートフォンへの業務集約~ – 通信・ICTサービス・ソリューション

医療法人弘仁会 板倉病院|積極的なアプリ活用

医療法人弘仁会 板倉病院では、PHSの後継としてスマートフォンを導入しました。

同院が所在する千葉県船橋市は、英語の通じない外国人も多く在留していることから、翻訳アプリが活躍しています。コミュニケーションのストレスが大幅に軽減し、患者さんにも安心してもらえるようになりました。
業務効率化や負担軽減によって、人材定着の効果も実感しているといいます。

また、院内システムとMDM、端末による三重の対策によって、高いセキュリティを実現しています。

参考ページ:
医療機関専用スマホ第1号病院で注目される「セキュリティ」機能 │ ヘルスケア・マネジメント.com

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関連記事:
法人iPhone・Androidスマホを大量かつお得に導入する方法を徹底解説! – Belong法人向けサービス

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(価格・料金は今後変更される可能性があります)

サービス 価格・料金(税別)
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2年 800円/月 550円/月
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